カカオショック

メキシコ産ホワイトカカオ

カカオショックとは

カカオショックとは、その名から想像がつくかもしれませんが、カカオ豆の生産量が不足し、カカオ豆の取引価格が高騰している状態のことです。
カカオ豆の取引価格は、先物取引にて決定されています。なんとその価格が、昨年と比べて約3倍になっています。さらに、ここ数年でも約4~5倍に膨れ上がっています。

なぜ起こっている?

これほどにカカオ豆の価格が高騰しているのには、いくつか理由があります。

①異常気象による不作

近年の地球温暖化により、カカオの栽培地域である西アフリカで異常気象が続いています。平均気温が上昇していて、干ばつや大雨の影響もあり、生態系やカカオの生産量に大きなダメージを与えています。

②不法採掘によるカカオ農園破壊

現在、収穫したカカオを売ることで得られる利益は少なく、農民にとってカカオ農業は「稼げない仕事」となっています。そこで若者を中心に金採掘が広まりました。
運が良ければ一攫千金のチャンスもある採掘は、カカオ農業と比べて割が良いことから、採掘地として農地を売ってしまったり、農家を廃業したりと、カカオ農業から離れる人が続出しています。

また、金採掘がヒートアップし、無断で農地を荒らす人が現れるなど、カカオ栽培に大きな影響を及ぼしています。

③カカオ農民の減少

①や②に挙げられるような理由や、カカオの取引価格が安くて収入が安定しないことから、カカオ農家を廃業する人々が増えてきています。代々カカオ農園を受け継いできた家庭でも、将来性への不安から、子・孫の世代にカカオ農業を継いでほしくないと考えるところが多いようです。

上記の①~③の要因、またほかにも様々な要因が影響しあって、カカオ豆の価格高騰の原因となっているのです。

目次