カカオ生産国~コートジボワール~

コートジボワール

コートジボワールは、カカオ豆の生産量が世界1位の国です。
西アフリカに位置し、大西洋に面しています。面積は日本とほぼ同じで、人口は約2800万人です。(東京都の人口が約1400万人なので、東京都の約2倍の人口)
主要産業は農業で、人口の半分が農業従事者です。

1893年のアフリカ分割によって、フランス領とされました。戦後1960年に正式独立を果たし、共和制国家になりました。
フランスの植民地としてカカオ豆が持ち込まれたことから、カカオ栽培が始まったそうです。

歴史

コートジボワールでは、2002年から2011年頃まで、内戦が発生していました。原因は、社会情勢が悪化している中、国内北部と南部との間に、血統と政治に関する対立があったためでした。

アフリカは欧米諸国の介入で国境線が引かれたことにより、一つの国に様々なアフリカ民族が混在しています。コートジボワールもそのような分断を受けた国の一つで、分断後の北部には移民の子孫が移り住み、南部には原住民の子孫が住むというように、南北に住む人種の違いが色濃く出ていました。

そして通貨政策の失敗や、農業輸出の価格下落などにより、社会情勢も良くありませんでした。そのような状態が続き、国は次第にナショナリズムの風潮が強くなっていきました。そんな中で原住民の血統を持たないものを排斥する、いわゆる純血主義が広まり、南北間での対立が深まり、政治にもその問題が絡んだことから内戦状態になっていました。2011年にワタラ政権が発足したことにより、情勢は落ち着きましたが、今もなお不安定な状態になりかねません。

現地のカカオ農民は、そのような情勢の中カカオを栽培しています。しかし近年、金の違法採掘者によってカカオ農園が荒らされたり、気候変動、カカオ豆の病気の蔓延等により生産量が落ち込んでいます。
そのため、カカオ豆の価格は高騰し続けていて、世界中に大きな影響を与えています。

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